Stories of Chairs

Onway > The Story of Onway > OW-6052 Min Chair

OW-6052 Min Chair

ミンチェアー 執拗に形を追求した作品
 
折りたたみ椅子である以上、外形の変化には限界がある。
 
安定した座り心地を求めるためには、広い座面を確保しなければならない。
変えられるのは両サイドの造型しかない。
 
せっかく一本の楕円パイプで形成した側面フレームを分断してはもったいない。
しかも、比較的小さい角を曲げるには楕円空心のパイプでは最初から困難であると分かっている。
しかし、「不可能を可能にする」というのがONWAYの行動指針だ。
そして挑戦したのがこのチャイナチェアだ。
 
周知の通り、空心パイプを曲げるには充填物が必要である。
例えば、砂、オイルを使う方法、
パイプの素材の強度を落とす方法、
曲げ機のスピードを落として、ゆっくり金属の内部結構の分裂を抑える方法、
曲げ加工中に変形しないように金型で固定してまげる方法、
中間部の補強筋を薄くしたり、厚くしたり、そして、外縁との接触部形状を変えたりして変形を抑える方法、等々。
 
このように何十回もの試験を繰り返してきた。
一年間かけて、ようやくイメージに近い椅子ができた。
気が付いたら、試験段階でなんと1トンもの楕円アルミパイプを使ってしまっていた。