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OW-7845 Rex Table

パリの街角から得た
こだわりのXライン

コンフォートチェアにマッチするテーブルをそんなリクエストをきっかけにXラインのイメージが浮かんだ。
美しさとシンプルさへのこだわりを具現化した一作。


どこにもないX型の曲線脚部
 コンフォートチェア OW-72BD-BMを2脚、購入してくれたユーザーから、こんなリクエストをいただいた。
 「ふたりで向かい合ってこの椅子に座った時、ちょうど良いテーブルはないだろうか?」
 コンフォートチェアは、スリムチェア OW-72の派生商品だが、座面には帆布を、肘掛けには竹の集成材を使い、素材感やイメージにこだわって作ったものだ。室内やテラスにも似合うインテリア性を持たせている。これにマッチするテーブルとなると、やはり機能以上に美しさも欲しい。そう考えて、ふと浮かんだのはフランスのイメージだった。
 凱旋門から放射状に延びる通りのひとつに置かれていた鋳物製ベンチ。その脚が描いていたX型の曲線が強く印象に残っていたのだ。このラインをデザインのベースに美しいローテーブルができないだろうか?
 

 

小半径アールへのチャレンジ
 テーブルの脚部には、スリムチェア2 OW-23の角パイプを使うことにした。しかし、これをイメージどおりのラインに曲げるとなると並大抵のことではない。そもそも角パイプをアール(円弧状)に曲げるのは難しい。しかも半径が小さくなるほど割れやすくなるのだ。
 たまたま工場にあった2本の押出成型後、熱処理(人工時効硬化処理)していない角パイプを試しに曲げてみた。時効硬化処理していないため柔らかかく思った通りの曲線にができた。決して簡単ではなく、割れるリスクが伴いコストは上がるが、どこにもない美しい形状のテーブル脚部が実現したのだ。

収納もレール機構で美しく
 Xラインの脚はできた。次はこれをどう収納するかだ。収納方法によって、脚の高さと天板の長さも決まってくる。つまり、全体が美しいバランスで成り立つかどうかは、収納機構にかかってくるともいえるのだ。
 その意味もあって、できるだけシンプルかつ美しい方法を模索した。採用したのは、天板裏中央のレールに添って開閉するというシンプルな機構。ヨーロッパの展示会で目にしたあるインドア家具のレール式収納がヒントになった。これもまたちょうど工場にあった「コ」の字型のレールを天板裏中央に取りつけ、レールに添ってサポートバーがスライドする仕組みができあがった。収納時にも脚が落ちてこないようストッパーにも工夫を加え、当初はツマミをねじる方式だったものをワンタッチのフック式に。これ以上ないほどシンプルで裏から見てもすっきりとした収納機構に仕上がった。
 
  時にはコストを度外視しても美しさにこだわること。そして常にシンプルさを目指すこと。オンウェーの一貫したテーマを表現した一作である。