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OW-8484 FamilyTable Set



曲線フォルムへのこだわり

ピクニックテーブルセットにはやはり限界があった。
4つのスツールが固定され、移動できないという点でどうしても自由度が限られるのだ。また、座面の広さも限られる。
オールインワンの構造から離れて、より実用的な構成はないだろうか。

6人座れるセットを、美しく収納する
 箱状のケースにスツールを2〜4脚収納したテーブルセットは、実は1世紀も前からある。しかし、6人掛けのセットは、どういうわけか未だかつて存在しない。ならばOnwayで作ってみよう。不可能を可能にするのが当社のスローガンなのだから。

重量10キロの前提と4つの条件
 6人掛けのテーブルセットとは、具体的には6人分の坐具を、テーブルを兼ねたケースに納めたものだ。そして、持ち運びを考えれば総重量を10キロ程度に抑えることが前提になる。それに加えて、以下の4点を開発の条件とした。
1.坐具、テーブルともすべてが単品で、構造的に独立して成立すること。
2.坐具はそれぞれが80キロ以上の耐荷重であること。
3.美しいフォルムであること。
4.コストを抑え、安価で提供できること。
 社内での議論を重ね、まずは薄く、かつ強度のあるアルミ積層複合材をケースに採用することに決めた。だが、これでそのまま四角いケースを作るのでは、大きな道具箱に見えてしまう。見た目にも軽快で美しいアルミケースにするには、やはり角に丸みが欲しい。目指すのは、〈ゼロ ハリバートン〉の美しさだ。

アルミシートを曲げるための「秘密兵器」
 しかし、アルミ複合材にR(アール)を付ける―鋭角ではなく曲面で曲げる―工程は、一筋縄ではいかない。まず、常温ではきれいに曲がらない。熱を加えて中にはさみ込まれた樹脂を柔らかくしないと曲げることができないのだ。しかもアルミ層には、布のように「目」があり、縦方向と横方向では曲がり方も違う。
 方法としては、特殊素材の凹型モールドと、熱伝導率の良い青銅にヒーターを入れた凸型モールドで、一定時間加熱してから2秒かけて圧延することになった。しかし、この方法を実行するための機器はどうするか? コストをあまりかけるわけにもいかないのだ。
 社内での論議の結果、町工場でよく使われている金属板の裁断プレス機を購入し、社内で技術者が改造することになった。元は単純なプレス機2台―熱圧用と冷圧用―を使って、アルミ天板の曲げ加工ができる独自システムが、低コストでできあがった。この機械なら、ボタンひとつで誰でも操作でき、簡単な作業でみごとな曲線の曲げ加工ができる。完成したケースのフォルムからは誰も想像できないような簡素な機械だが、これこそがOnwayの「秘密兵器」なのだ。

収納性と耐荷重
 ケース/テーブルはできた。次はどうやってベンチ2脚とスツール2脚をその中に納めるかである。ケース内の空間すべてを無駄なく使わなければ収まらないだろう。そこでまずベンチのフォルムをケースに合わせることにした。ベンチの縁と角にケースと同じ丸みを付けることで、ケースにぴた
りと納まり、かつ外観も統一される。そしてごく薄くたためるように設計したスツール2脚を、それぞれベンチ座面の裏側に納めることにした。その上でケース内側に樹脂のクリップを設置して、ベンチ、スツールそれぞれを固定。収納しやすく、運ぶ際にもガタつかない工夫を加えた。
 もうひとつの課題は、耐荷重性だ。本来、軽量・コンパクトなことと耐荷重性は矛盾するもの。しかし、安心して使ってもらうためには、充分な強度のある構造にしなければならない。軽量化とせめぎ合いながらも、耐荷重性を確保するために以下のような対策を講じることにした。
1.ベンチ座面裏に鉄の補強板を設置して、大人ふたり分の体重を支えられるようにする。
2. ケースに合わせた丸みをベンチにも持たせることで、座面の表面強度を高める。
3.スツールの座面を支える両側のバーには、内側に複数の補強筋を入れた丸パイプを採用する。
 
 これらすべてを実現することで、総重量12キロ、6人が座れ、清潔感もあり、外観もすっきりとしたフォルムのテーブルセットが完成した。Onwayの技術とアイデアの集大成ともいえる一品である。