Stories of Tables

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OW-12 Compact Table


2002年 商品化成功。日本での大きな反響
2003年 日本G-Mark取得
2005年 ドイツの一流デパートで販売。スイス、スペイン、イギリス、アメリカも好評。

初めて、この折りたたみテーブルを触った人で、そのメガテックに感動しない人はほとんどいない。
世界を驚かせたシンプルなテーブルがONWAY工場で誕生した。
  

一部品がかなえた機能美
多方向可動ジョイント

見た目も使い勝手もすっきりとシンプル。
このシンプルさに達するために多大な工夫と発明が注ぎ込まれた。
革新的なメカニズムを持つテーブルに、制作を依頼したクライアント当人も驚いた。

ネジ不要でたためるテーブル
 2002年、オーストラリアのある得意先から打診とともに一枚の写真が送られて来た。写っていたのは現地の公園によくある鉄製の組み立て式テーブル。脚部は扁平な鉄片を何本ものねじで締めて組み立てるもので、その上に木の天板を被せるようになっている。動物のケージのような形といえばいいだろうか。収納時には三十数個のねじを外して、脚部の鉄片を束ねるという。
 私たちは、そうしたタイプのものを作る必要も意欲も感じなかったので、「うちではちょっと…」と断った。ところが、3カ月後にこの得意先から再度連絡があり、「まだできていないのか」と催促されてしまった。

社内コンペで独自開発
 この得意先とは取り引きを始めて間もない頃だったため、そのまま放置するわけにもいかない。とにかくやれるところまでやってみようかと試作に入った。
 まずは社内の技術者12名ほどをベテランと新人のチームに分け、3チームでそれぞれ知恵を絞ってみることにした。3日後、写真通りのテーブルができたのだが…技術者全員が思わず噴き出すような、不格好なものだった。
 しかし、当社に似つかわしくない依頼とはいえ、こうした折りたたみテーブルに要望があるというのも事実である。この大事なマーケット情報をものにしないのももったいないということで、私たちなりの工夫を加えてクライアントの要求に応えるべく、再度作ることになった。
 今度は送られてきた写真のことは忘れ、「金属製折りたたみテーブル」をテーマに、構造は自由に考えることにした。 前提として、以下の5点を条件とした。
@収納できること
A開閉にねじ不要
Bすべての部品は連結され、部品の紛失を防ぐ
C軽量であること
D美しいこと
 こうして本格的な商品開発が始まったのだ。

すべてを満たす多方向可動ジョイント
 天板は、OW-109で開発したアルミロール天板で早々に決まった。問題は脚部構造である。アルミロールテーブルのさらなる進化型となるには、脚部は以下の課題をクリアしなければならないと考えた。
A.天板との固定
B.自立すること
C.開閉が容易であること
D.安定性
E.美しいこと
 A.天板との固定方法は、OW-109のOnway特許のクリップ方式を採用すればよい。問題はB.〜E.の4点だった。
 どんな形で組むか? 昔ながらのX型ではおもしろみがない。ロールテーブルOW-109と同じでもやはり新鮮味に欠ける上、ひざが天板下に入らないという弱点もある。さらに重要なのが、開閉の機構なのだが…。たどりついたのは「相反する方向への回転が可能」という、多方向可動ジョイントの発明だ

天文望遠鏡と鉄塔
 天板裏中央に固定された「背骨」となる補強バーの両端に位置するこの多方向可動ジョイント部材は、ひとりの技術者が編み出したものだった。開閉の写真でわかるように、逆V字型の脚は、まず天板の長辺に対して垂直方向に回転して閉じ、次に平行に回転して天板と重なる。さらに、天板短辺を支えるパイプが中央に向かって回転して二つ折りになる。いわば3次元方向に回転できる部材なのだ。
 この担当者によれば、ヒントは天文台の望遠鏡だという。開閉、回転と多方向に動く望遠鏡から発想したというのだ。しかし、それだけに精度が要求される。接合部に取り付けるそれぞれの開閉部材は、高精度の加工によってはじめて、三方向への回転が自在となるのだ。まったく新しいこの脚
部部材は、さらに簡単なロック機能まで備えている。
 この多方向可動ジョイントの発明で、過去にはなかったシンプルで安定感があり、開閉容易で美しい…ちょうど高圧電線の鉄塔のようにすっきりとしたフォルムを持つ折りたたみテーブルが誕生した。
 このテーブルが発売されてから国内外で話題となり、オーストラリアから写真を送ってきた当の得意先までもが驚いた。一方、話題になったにもかかわらず、コピー品の多いアウトドアファニチャーの世界でも未だにこのウィングテーブルのコピー品は見かけない。というのも、構造はシンプルに見えて製造は難しいのだ。部品ひとつでも精度が落ちれば、開かない、閉じられないテーブルになってしまう。そして製造には、92個もの金型が使われているのだ。
 本気で模倣するには覚悟が必要だ。